2014/02/26

小説ドラクエ3/名場面

以下は、『小説ドラゴンクエストⅢ』で個人的に好きなシーンです。


 カンダタとの対決 
クリスはカンダタの頭巾を剥ぎ取った。
(中略)

「な、名はなんという!?」
カンダタはアレルに聞いた。
「勇者オルテガの息子、アレルだっ!」

いや、カッコイイですね。「オルテガの息子」と誇らしげに名乗るところがいい。
小説では、カンダタが本当の “おっさん” になってしまったのは悲しいですが…(注:CD版は若くて素敵です)。
カンダタは後にアレフガルドへ渡り、最後の決戦に挑むアレルたちを助けることになります。


 イシスの女王と『星降る腕輪』 
城にやってきたオルテガを見て、ひと目で心を奪われ、妻子があるのを知りながら愛してしまった

イシスの女王パトラは、密かにオルテガの想いを寄せていました。小説独自の設定ですが、好きなシーン。辛い恋が泣かせます。メロドラマか!
そりゃモテるわな、オルテガ父さん。私も好きだし。

星降る腕輪の由来も語られていて、成程という感じ。この腕輪の由来については、小説だけのものか、公式設定なのかは不明です。


 十八歳の誕生日 
「まあ!」
とたんにリザとクリスが笑い出した。

アレルは、旅に出て二度目の誕生日を迎えます。ひと月前にリザも19の誕生日を迎えていて、一緒に祝うことになったものの、男性陣と女性陣それぞれが用意したプレゼントが同じものだったというエピソード。

アレルが18で、リザが19と年上なのがナイス(笑)。リザはアレルに惹かれています。アレルの方は、そのあたり不明。
このシーン、いのまた先生の挿絵がとっても素敵です。


 オルテガとの再会 
「父さん! しっかりして父さん!!」
アレルはさらに激しく揺すった。
だが、オルテガは二度と応えなかった。

涙、涙のこのシーン。やっと再会できた時、父はもう命が尽きようとしていました。
救いなのは、小説ではオルテガはアレルを息子だと認識すること。ゲームやCD版は、息子だと知らないうちに死んでいきます。13年ぶりに再会した父と子なのに…。

ところで、オルテガには、モルドム・ディアルティス・オルテガという立派な長い名前が付いています。
アレルも、もしかしたらミドルネームとかあるのかも?


 そして伝説へ… 
ラダトーム城の宮殿で、厳かな授与式が行われ、ラルス一世がアレルの『勇気』と『正義』と『平和を愛する心』を永久に称えるために、アレルに『勇者ロト』の称号を与えたという。

『勇者ロト』は、“アレフガルドの創世記に邪悪な暗黒の覇者からアレフガルドの大地を守ったという伝説の勇者の名” とのこと。
ゲームでは『ロト』は「神に近い者」という意味ですが、ここではさらにルーツがあったという設定になりました。

感動のエンディングは意外とあっさり書かれています。
ただ、アリアハンで待つアレルの母親の描写があったりと、泣かせの要素は入ってます。

ゾーマを倒した後、ゲームと同じく勇者一行は地上界に戻れない様子。個人的には、地上世界に戻してあげてほしかった。

小説 ドラゴンクエスト〈3〉そして伝説へ…
イングリッシュパーラー